「コーヒー豆の種類が多くて何を選んだらいいのか分からない」
「過去に酸っぱいコーヒーを飲んで美味しくなかった」
「苦すぎないコーヒーを選びたい」
最近コーヒーを飲み始めた、または自宅で淹れ始めたという人の中で、このような悩みをもつ人はたくさんいると思います。約3年間コーヒー屋で働いていた私も、コーヒー始めたての頃はまさにそんな感じでした。コーヒーの専門店で豆を買うなんてことは一切なく、スーパーなどで購入できる豆しか飲んでいませんでした。
ただ、今回紹介する【焙煎度による味の違い】を押さえるだけで、一気にコーヒー選びの幅が広がります。これまで知らなかったコーヒーの新しい味わいに出会うこともできるかもしれません。ぜひ一緒にコーヒー豆選びのポイントを押さえていきましょう。
コーヒー初心者は「焙煎度」で選ぼう
早速ですが、先ほどから何度か申し上げている通り、豆の選び方のポイントはズバリ焙煎度です。
コーヒー豆の焙煎度はざっくりと3段階。浅煎りと中煎りと深煎り。
もっと深掘っていくと、実は全部で8段階存在します。「えっ、そんなにあるの!?」と思われた方も多いのではないでしょうか。コーヒーはこの焙煎度合いによって、大まかな味わいの傾向が決まります。
今回は初心者のためのコーヒー豆の選び方なので、ざっくり3段階の焙煎度合いについて解説します。8段階の焙煎度合いについては、また別の機会に解説していきたいと思います。
上の図は、焙煎度による味わいの大まかな傾向を表した図です。ぜひ参考にしてみてください。ということで、ざっくり3段階の焙煎度合いについて解説します。
浅煎り
浅煎りのコーヒーは、フルーティですっきりとした味わい。もちろん同じ浅煎りでも、豆によって味わいは異なりますが、全体的にすっきりと飲みやすい印象です。苦味は全くと言っていいほど感じられないです。
ここでよく挙げられる考えが、「フルーティってことは酸っぱいんじゃないの?」という疑問。上の表にもある通り、確かに酸味は優位になりますが、酸味があることと酸っぱいことは全くの別物だと考えてください。要は、酸味には「良い酸味」と「良くない酸味」があるということです。
コーヒーの抽出方法や味に正解はありませんが、正しい方法で抽出することができれば、「良い酸味」を感じることができるはずです。
また、浅煎りはコーヒー豆のもっている個性を十分に感じられる焙煎度でもあります。最近のスペシャルティコーヒーを扱うコーヒーショップは、大体この浅煎りです。
中煎り
中煎りのコーヒーは、酸味と苦味のバランスがとれており、マイルドな味わい。酸味も苦味も程よく感じられます。
コーヒー豆の個性もあまり損なわれず、それでもって所謂コーヒーらしいコクも感じられる。まさにいいとこどり。
どんなシチュエーションにも合う、万能な焙煎度です。
深煎り
深煎りのコーヒーは、苦味とコクがしっかりと感じられ、焙煎による香ばしい香りを楽しむことができます。
酸味は全くないと言ってもいいほどで、「コーヒーは苦くてなんぼ!」という人におすすめの焙煎度です。
また、ミルクで割ってカフェオレにしても、コーヒー感が損なわれないというのも深煎りの魅力。昔ながらの喫茶店で出されているコーヒーは深煎りであることが多いです。
コーヒー初心者は実際にどう買えばいい?
焙煎度合いによる味わいの傾向は分かった。では実際にコーヒー豆を購入するときはどうすればよいのか。
結論、好みの焙煎度合いをコーヒーショップの店員さんに伝えるだけです。
焙煎度合いを絞ってあげるだけで、店員さんはお客さんに深掘った質問がしやすくなります。また、「思っていた味と全然違う!」にような食い違いをある程度防ぐことができます。
例えば、実際に私がコーヒーショップで働いていたときに、お客様から「浅煎りのコーヒーがすきなんですけど、おすすめの豆はありますか…?」といった質問がありました。それに対して、「ベリー系の甘く華やかなタイプと、シトラス系の爽やかでジューシーなものがありますよ~!」なんて紹介することもありました。
好きな焙煎度合いだけでも店員さんに伝えることで、自分好みのコーヒーに出会うことができると思います。これまで豆選びに悩んでいた人は、ぜひ好みの焙煎度合いを見つけて、店員さんに話してみてください!元店員の私的には、お客様からの質問はめちゃめちゃ嬉しいです。きっとどの店員さんも同じはず。
ちなみにちなみに…もっと詳しく自分好みのコーヒーを見つけたい!という方は、LIGHT UP COFFEE代表の川野優馬さんが作成したコーヒー産地のフローチャートなんかもおすすめです。
また別の回で産地についても書こうと思いますが、なかなか万能なフローチャートですので、ぜひ覗いてみてください。
さて今回は、コーヒー初心者の方に向けて、コーヒー豆の選び方のポイントをお伝えしました。基礎中の基礎ではありましたが、焙煎度はコーヒーの味わいを大きく変える重要な要素です。今まで店員さんに味の好みをうまく伝えられなかった人は、ぜひこれを機に「中煎りが好きなんです…!」と伝えてみてください。
もしこの記事が、皆さんの豊かなコーヒーライフに寄与することができたら幸いです。それではまた次回!